今年度の桑園おさんぽ日和ですが、お休みする事にしました。
その理由を、まずこの行事ができた経緯をお話してから述べさせていただきます。
■桑園おさんぽ日和が始まった経緯
2020年にコロナの感染症対策で始まった活動の自粛。「不要不急の外出は控えるように」といいう号令のもと、街からこども達の遊ぶ声が消えました。
プレーパークの活動も制限され、昨年度開始した桑園こどもDAYも実施が難しくなる中、自分たちはいったい何が出来るのだろう?と考えた末出した案がこの桑園おさんぽ日和でした。
「3密(密閉・密集・密接)を避ける」という考えの中、どういう活動ができるのかと考えた際に、「自分達の街をおさんぽしよう」というアイデアは、今から考えてもかなりユニークだったと思います。過度に恐れすぎて室内にこもる事で、体力や免疫力の低下が起こったり、ストレスによる心的負担がかかる事による別の病気になったりする事の方がよっぽどこども達にとっては危機なのではないか。そういう思いで作り上げた活動です。
やっている事はそんなに難しいことではなく、桑園地域内のいろんな場所にポスターを貼ってもらい、それを探しに行く目的を持ってまちなかを回る。一言でいうとウォークラリーです。学校に協力してもらいシートを配ってもらって、まちなかの施設や店舗にポスターを貼ってもらう必要はありますが、活動自体が難しいものではありません。ポスターを貼るだけなので、協力する側としても手間はほとんどありません。ただ、お金も人でも無かったので景品などは用意しない、ということはスタートの時点で決めていました。
当初、自分達の活動に対して批判が出る事に対して受け止める覚悟はできていたのですが、果たしてポスターを貼ってもらえる協力をしてもらえるだろうか?景品も何もないのにみんな参加してくれるだろうか?こんなご時世でやろうと思ってもらえるだろうか?不安だらけのスタートでした。
が、活動をしていくうちに、それは杞憂だったと分かりました。
ポスターの掲示をお願いしたところは、ほとんどの施設・店舗でOKをいただきました。コロナの活動自粛などが始まって半年。みんな何かしたいけれど何ができるのかわからない。不安なニュースばかりが流れる毎日で、なんとか明るい話題が欲しい。そんな背景があったと思います。行く先々でとても快く引き受けていただけた事が、何より私達のはげみとなりました。
おさんぽ日和の期間の5日間。その間外へ目を向けると、専用シートを持って活動する人たちをあちこちで見かけました。そんな様子を見ていて驚いたのが、こども達同士ではなく、一家4人とかで歩く姿が大変多いことでした。
確かに友達で連れ立って遊びに行くというのは、この当時難しかった気がします。けれど、買い物など、家族で歩く分には許されている風潮はありました。なので、「自分達の住んでいる街を、家族みんなでお散歩する」という光景が見れたのです。よくよく考えれば、この光景はとても貴重だったと思います。
そうして多くの人に受け入れてもらえる機会となったこの桑園おさんぽ日和は、コロナ感染対策期間の2022年の間続けられ、さらにはその期間を超えて続けてきました。
■中止とした理由
一方、この活動については弱点というか、説明しづらい部分がありました。
参加人数がわからない、参加者の声が聞きづらい、というものです。人数はともかくとして、参加者の声が拾えないのは結構致命的でした。苦肉の策として専用シートに感想欄を作っていたのですが、なかなか活用してもらうのが難しかったです。それでも毎年ゼロじゃなかったのは、大変ありがたかったです。
そして、参加者の数も把握はできてないのですが、コロナ感染対策が終わってからは目に見えて少なくなったと感じています。それはまぁ当然で、他にいろんな活動が再開したため、単純に人が分散するようになったのでしょう。お金をかけた活動も多く増えた中、より楽しさを感じる活動に昇華できなかったのは、私達の力不足でした。
さらに、活動の負担も今年は大きくなりました。私達の活動も年々進歩してきているのですが、残念ながら会員数がそれに追いついていません。結果、個々の負担が大きくなり、最終的にどの活動を優先していくのか、という考えに至るようになりました。
そうした意味で、コロナ禍が終わった後も続けていたこの桑園おさんぽ日和ですが、その役割が終わったのかどうか一旦見極めるために、今年度お休みさせていただくことになりました。このまま来年度どうするかは、未定となります。楽しみにしていた方には大変申し訳ありませんが、この機会にあそびの消費者ではなく、あそびの生産者となることを考えてもらえるととても嬉しいと思っています。私達と一緒に活動してくださる方、ぜひぜひお待ちしております。
桑園あそびばプロジェクト 事務局 寺坂
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