【活動報告】2/16 (日)のあそびば桑園

 ちょっと遅くなっちゃいました。2/16(日)に実施したあそびば桑園の活動報告です。
当日は2月にしては寒さが緩んでとっても遊びやすい1日でした。
この日は58人くらいがあそびばで過ごしました!

■もっと高く!
あそびば桑園でいつも設置するハンモック。
この日も開始早々「ハンモック付けて〜」と言ってきたこども達。
うーん。いつもいつもこちらに頼るのもどうだろう。
自分達で設置できるようになってくれても良さそう。
(最終的に出来てるかはこっそり見ますが)

「自分達で付けていいよ〜」
「えー、付け方わかんないもん。」
そりゃそうか。
「じゃあやり方教えるから付けてみる?」
「うん!付ける付ける!!」

お、乗ってくれた。
最初からこうすれば良かったじゃん。
毎回毎回学ぶ事がありますね〜。

あっというまに設置。
ところが雪が暖気でゆるんでおり、あまり高い位置に設置できず。
「ねえ、ハンモック低いんだけど」
「うーん。自分達で高くして良いよ」

しばらく悪戦苦闘。
こちらは準備も一段落したので、ようやく一服。
・・・しようかと思ったらまた呼び出しです。

「ねえ、いつものロープ張って!」
どうやらモンキーブリッジを設置して欲しい様子。
うーん。ちょっと一休みさせて欲しいなぁ。
とりあえず聞いてみるか。

「なんで?」
「いつものロープがアレば、その上に乗ってハンモックを高く出来るから!」

なーるほど。
これは断る理由が見つからない。
ハンモックを高くするための方法を彼らが見つけました。
確かに不安定な雪の足場よりもよっぽど上手にできそうです。

覚悟を決めて(モンキーブリッジの設置は当日の体力を7割持ってかれる)、
モンキーブリッジを設置します。
とりあえず下だけ。

あそびば桑園のようなプレーパークはこどもの「やってみたい!」事を実現するようにする場です。実際には物理的な障壁や管理上の問題があり、「なんでも」という訳にいかない事が多々ありますが、それでも出来るだけ寄り添うように努力をします。
ですから、そういう時にはその場にいる大人のさじ加減というのがどうしても場に影響されてきます。

私達プレーリーダーはこども達の奴隷ではないので、自分が出来なかったり嫌な時はこれまた正直に話します。ただし、「許可を出す立場にはならない」ように心がけます。あくまでやるかどうかを決めるのはこども達自信であるように。その声掛けや振る舞いには、(経験的にですが)3年はかかると思います。

今回は「正直疲れてるからちょっと休んでから対応したい」より「なにそれ面白そう、よく思いついたな〜、その姿を見てみたい」が勝った感じですね。自由な遊び場を運営するには、こういう判断が常にふりかかっている状態です。

「やった〜!!」
お、どうやらうまく張れたようです。

■せんべい作りブーム到来!
「見て見て〜」
そう言って取り出したのは「餃子の皮(30枚入り)」
以前、一人たき火パーティーをした時に餃子の皮を焼いてせんべいにしたのを覚えていた子がいたらしく、早速たき火で焼き始めました。


「焼けたかな〜?」
焼き加減をチェックしてます。
たき火で調理した人は分かると思いますが、焦げる時は一瞬で焦げます。
そして案の定・・・

「うわ〜、真っ黒になっちゃった〜」
そんな声がちらほら。
ん?1人じゃない?

どうも皮をあげたり、お菓子と交換したりしてるそうです。
こちらにも食べてたポップコーンと、餃子の皮の交換を迫ってきました。
おお、なんてたくましい。
こういう交渉できるこども、結構好きです。


■無いなら無いなりに
あそびば桑園では、どうにも私達運営側の「こういう遊び道具も持っていきたい!」という思いが強く、わりといろいろな物を持っていきます。
そのため毎回車2台分の荷物をぎっしり持っていくのですが、今回は都合により1台分のみ。
持って行く物を厳選して持っていきました。

コロコロキットも持っていけないかな〜と思っていたのですが
「筒だけでも持っていこう!」とスタッフ内から意見が。
これまで山に立てかけたり平らな所でも流したりと、十分遊ぶ姿を見ていたので遊びを広げる道具とし十分機能すると判断して持ち込む事にしました。



で、実際に持ってきてみると予想通り。いや、予想以上?
雪に突き刺してみたり、足りない分は大人が持ってみたり。
これまでにない遊びの広がりがありました。

どうしても私達大人は「〇〇が必要」「あれもこれも」となりがちですが、無いなら無いなりになんとかするし、なんならそっちの方が楽しいまである。
これを忘れてはいけないな〜、と改めて思いました。


■ベイブレード大会開催中
一方、こちらは「(物が)ある」からこそ生まれた事例。
ベイブレード、未だにこども達に人気なんですね。
コマのように技術をそんなに必要としないからでしょうか。
タイアップが上手いのか、マーケティングが上手いのか。
今回、セット一式を持ってきた子がいました。

持ってきた子もこのあそびばの本質をよく分かっていて、自分や既存の友達だけが遊ぶ道具として持ってきていません。
「あ!ベイブレードだ〜」
「いっしょにやる?」
「うん、やるやる。あのね、僕の持ってるのはね・・・」
なんてあっという間に交流の場が出来上がりです。

こども達は大人の顔色や雰囲気を感じ取って行動する力が驚異的です。
それは、人間が社会的な生き物なので、その社会になじむようにするために本能的に備わっている力なんだろうなと思います。
なので、私達大人がどんなに取り繕ったとしても、本音をこども達は敏感に感じ取ってきます。

それが悪い面に働くと、大人の顔色を伺ってばかりで自分の本音を隠して生きる事になってしまうのですが、大人が本気で遊びを通じた交流の場をつくりたいと思っていると、こういう風に働くのか〜と変に感心してしまいました。

何が言いたいかというと、ベイブレードを持ってきた〇〇くん、グッジョブだぜ!


■あおげやあおげ
たき火も3時をすぎると、そろそろ薪の量を調節し始めます。
あそびば桑園は4時までなので、その時点で薪ができるだけ燃え尽きるようにしています。
こればっかりは街区公園を借りてやる身としては仕方ないですね。
この日も3時30分を過ぎてそろそろ消えそうな感じです。

ところがそれを見かねて(?)
「消えないで〜」とえっほえっほとうちわを仰ぐこども達が。



消えちゃったら燃え残った炭を火消し缶に入れればいいかと思っていたのですが
なんとか大きな火をつけ直そうと奮闘しています。

薪をケチっているせいでスカスカなので、仰ぐとむしろ冷気が送られて冷えちゃうのですが、そんな事はお構いなしに仰ぎまくっています。楽しそうだな〜。

大人から見ると「それって意味無いよ」みたいな事も、黙って見ています。
それは、「火をつけたい」という目的はあるのですが、そこに至る過程で「仰ぐの楽しかった」「みんなと一緒にやるのが良かった」「火がチロチロ動いて面白かった」という得られる物がたくさんあるからです。
私達大人はもう経験上それは分かっている(時には分かってない)事なのですが、それを自分達自身で体験する事が大事だと思っているからです。

大人から見ると「火をつけたい」んだろ、と目的を固定化して考えがちなんですが、遊び場におけるスタッフ目線だと「火をつけたいというのが最初の目的だったんだけど、やっているうちに目的が変わるよね。だからその過程を楽しめたら、この遊び場では目的が大達成!」とみます。

なんでもかんでも最短ルートを通りがちな現代において、こういう「無駄な時間」が彼らの将来の大きな財産となるよね、とも思うのです。


さて、次回は3月15日(土)の開催です。
この調子だと雪はもう溶けてるかも?
またいっぱい遊びましょう〜。


<追記>
当日、たき火について通報があり警察官の方がやってきました。
手続き上や告知努力などに問題が無かったため、そのままお帰りになられました。
ご心配をかけて申し訳ありません。
活動は今まで通り続けられますので、ご安心下さい。
引き続きこうした活動を皆さんに知っていただく努力をしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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