【活動報告】12/21(土)のあそびば桑園

 朝の気温はマイナス9度!
今年の12月は冷え込みます。
しかし桑園公園には積雪があって、あそびば的にはとってもナイス!な状況。
天気も良くて62名の参加者が楽しい1日を過ごしました。

■バケツtoバケツ
朝の冷え切った気温のおかげで雪はサラサラ。
シーズン初めは踏み固められてないので、わりと雪は集めやすかったりします。
さっそく雪を集めて雪遊び。
札幌の冬の公園は泥遊びにはあまり向きませんが、
泥に変わる新しい材料として雪&氷が加わります。


遊ぶ様子を見ていると、持ってきてもらった雪を小さなバケツに集めてます。
で、それが一杯になると、今度は大きなバケツに雪を入れ替えてます。


・・・・・・!?!?!?


え?それって初めから大きなバケツに入れたほうが効率良くない?
と、大人ならついついそう考えがちなんですが、そうではないんです。
(いや、そうかも知れないんですが)

大きなバケツに早く集めたいなら、その通りなんですが
大抵は雪を集めたり移し替えたりする、その行為自体を楽しんでいます。
だから、効率を求めるやり方を伝えるのは野暮ってものなんです。

たぶん言われたら「ああ、そうかも」と思って
大きなバケツに入れ始めると思うのですが
そのために小さなバケツに貯める楽しみも、詰め替える作業の楽しみも、
全部無くしてしまうことになります。
仮に楽しさを感じてなかったとしても、そういう無駄な経験って実は
とっても大事だったりするのです。

だから、その子が「早く大きなバケツに貯めたいのか」それとも
「雪とたわむれるのを楽しんでいるのか」を見極めるのが
プレーリーダーとしてはとっても大事な観点になります。


■工夫の塊
雨樋(あまどい)と合板を組み合わせた「コロコロキット」。
いろんな組み合わせが出来るため、こども達が持つ創意工夫の心を刺激するようで
いつも人気のキットです。

この日もいろいろいじり出す子が複数いました。

一直線に樋を通して長いコースを作るのがよくあるコースづくりなのですが
今回はくの字に折れ曲がるコースを作ってました。

なるほど、こういう遊び方もあるのかと感心させられました。
ついつい樋を重ねて前へ進ませる事を考えがちなのですが、
樋を浮かせて、方向を変えてと面白い動きを考えてくれます。

こういう凝り固まった大人の頭をほぐしてくれるこども達は、
やっぱりあそびの天才だな〜とひしひし感じますね。


■こどもレストラン開店
たき火を楽しんでいる子が、鍋で雪を溶かしたり色々しているうちに
「こどもレストランを開店します」
と言い始めました。

「今は開店準備で、メニュー研究中です」と
いろいろ始めました。

そのうち雪の上で目立つ赤い実を別の子が拾ってきました。
「いいね!さっそく料理しよう」
と焼き始めます。
「これどこにあったの?」
「さくらんぼみたいなやつならあっちにあったよ」
と会話をしています。


ちょっと余計なお世話かなと思いつつ、
「それはナナカマドの実だね〜」と
話しかけるような、独り言のような感じで声をかけました。

彼らにとってその実の名前は重要ではなくって、
赤くて珍しくって良い食材になりそう、というのが大事なのです。
だから名前を知りたいという欲求はその場には無かったので
余計なお世話かなと思ったんです。

が、声をかける前にちょっと昔の記憶が蘇りました。
「これはツツジの花で、蜜を吸えるんだよ」と母親が教えてくれた記憶です。
その時はツツジという名前ではなくって
人間でも蜜を吸えるというのが心に残ったのですが、
ツツジの花というワードがその記憶のインデックスみたいなものに
なったので、そういう事を伝えるのも悪いことでな無いなと。

だから、名前を覚えさせるような教育的な関わりではなくて
独り言のようなつぶやきのような物なら
お世話しすぎない、彼らの先輩的な関わりになるんじゃないかと。
名前を覚えるかどうかは彼らの自由で、
でもその遊びが豊かになるかもしれないという思いが湧いたので、
今回は声をかけてみることにしました。


■改名、ななかまどレストランは10m先です。
「ナナカマド」という名前が彼らの心に引っかかったようで
いろいろ作り始めます。
焼きの次は鍋に雪と一緒に入れて煮込んだり、
他の材料を入れたりとメニュー開発に勤しみました。
「追加のナナカマド取ってきて〜」なんて声も。

そのうち、看板つくるからペンが欲しいと言い始めました。
冬なので段ボールや紙を出してないので、
いろいろ探した挙げ句、たき火の材料として用意していた木っ端に目をつけました。


「ななかまどレストランの看板作ったよ〜」
と見せてくれました。

いいですね〜。
特に「10m先」の一言がナイスです。

東京で見た大好きなあそびばの看板に
「自転車おきばまであと132歩」
というのがあるのですが、
それに通じる何かを感じました。

「ナナカマド」の名前がいろいろ遊びを引き出してくれたみたいで良かったです。
遊び場にいる大人としては、こういう教育的ではなく
かといって他人すぎるわけでなく、隣人的な関わりが出来るといいなと思います。


■ラケットの使い道は
さて、この子はバドミントンのラケットを使って何をしているでしょう。
例のごとく「良いこと考えた!」と言ってやり始めた遊びです。
よーく見ると分かる・・・かも?


正解は・・・

「雪の塊をネットの上に乗せて、震わせて雪をふるい落としている」
でした。

うーん。やっぱり「あそび」って写真ではとても伝えづらいですね。
彼らがやる行為には必ずストーリーがあって、
それも含めてあそびって成り立っていると思うんです。

だから例えばかくれんぼをみんなでやっていたとしても、
同じ「あそび」をやっているとは限らない。
ある子は隠れきる事を試しているのかもしれないし、
ある子はめんどくさいから早く見つけてほしいかもしれない。
もしかしたら見つけてほしいような見つけてほしくないような
そんな揺れがあるものかもしれない。
それは写真1枚にはなかなか収まり切らないものだったりします。

とは言っても、こうしてクイズに出来るのですから
写真だって大事!ですね。


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さて、次回は1月18日(土)になります。
次回はもっと雪が積もってるかな?
楽しみですね!

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